2008年12月10日 (水)

第12回 さようなら大学、来れ私塾

日本の大学教育が死んでいる。企業の採用担当者は大学院卒が昔の大学卒レベルだと言う。日本の大学は入るのは難しくても出るのは簡単、そういった制度上の問題もあろう。でも、日本の大学生をダメにしたのは、大学経営者と日本の教授たちに殆どその責任があると思う。では、日本の大学と大学教授に問うてみたい。

1)あなたの大学は、教授に教授法を教えていますか。研究成果やその経歴が華々しくても教えるのが下手な教授もいるはずです。毎年同じレジュメを読み上げるだけのツマラナイ講義を繰り返している教授はいませんか。教授の皆さんは、学生が勉強に興味を抱くよう楽しい授業を工夫して行っていますか。
2)あなたの大学は、教授自身よく勉強していますか。教授の皆さんは、毎年独自性のある論文を精力的に発表し、それは名前を伏せて発表しても国際的に評価してもらえるレベルですか。
3)あなたの大学は数値化された一定レベルの成果を出さない教授を降格させる仕組みがありますか。一般企業では成果を出さない社員は降格するのが当たり前です。
4)あなたの大学は教職員の昇格は教授たちのコネに頼らず、成果中心主義にしていますか。
以上の質問に対して胸を張れる日本の大学や大学教授がどれだけいるのだろう。

そんな状況の中、企業は学生の教育を大学任せにしていていいのだろうか。企業は私塾を作り、学生たちを自ら教育するしかない時代が来ていると思う。企業経営者の皆さんには、健全な経営感覚を働かせ、学生たちにとって勉強が楽しくって仕方がないような私塾を設立してもらいたい。できるならば、企業社会を支えるというというより、日本の国を支えていこうという気概のある若者を輩出するような私塾を目指して戴きたいと切に思う。

2008年11月24日 (月)

第11回 ブラケット照明の静電気汚れ

  ちょっとしたことからビジネスチャンスを掴める人とそうでない人とでは、いくつかの運命の分岐点があると思います。今日は、壁に取り付ける照明であるブラケットを例にお話を進めることにします。非常口の照明なども構造的にはブラケットの一つに挙げていいでしょう。このブラケットなんですが、その上の壁が薄黒く汚れているのを目にすることがありますね。

ここで、え、そうだったっけ?と思われた方はこのような方面でビジネスチャンスを掴むことはまず不可能でしょう。観察力や周囲のことに対する関心が低すぎます。ちょっと言葉がきつくてゴメンナサイね。でも、人には得手・不得手がありますから、お気を悪くなさらないよう。で、次に汚れの存在には気付いていたが、その原因なんだろうと考えたことがない方、考える習慣がなさすぎです。それから、原因が多分静電気によるものだろうと思っていたお方、普通の人です。

ビジネスチャンスを掴む可能性のある人というのは、この汚れを防ぐ方法はないものか、それは望んでいる人がいるのか、といろいろ思索を巡らしてみる人たちです。私には、静電気が発生する二つの原因、ブラケットの上側が特に汚れる二つの原因、壁の汚れを防止する方法が5つすぐに思い付きました。今回は簡単な命題なので皆さんも考えてみて下さいね。

ビジネスチャンスを物にするには、見逃さない観察力、周囲のことに対する関心の広さと高さ、すぐに理由や改善策を考えようとする習慣が備わっていれば、いくらでもネタは転がっていると思うのです。如何でしたか。

2008年11月15日 (土)

第10回 五味子ビジネスの行方

五味子、日本人には聞きなれない名前だ。あるいはオミジャと言った方が馴染みのある人が多いかもしれない。しかし、韓国ではオミジャ茶として柚子茶と並んでポピュラーな食品として知られている。植物としての正式名はチョウセンゴミシ(朝鮮五味子)。お隣の韓国や中国ではよく栽培されているし、その果実を乾燥させたものがソウルの市場では量り売りしているほど人々の生活に浸透している。

ところがこの五味子、日本では栽培はおろか販売も殆どされていない。理由は生薬として日本薬局方に掲載されているからだ。漢方薬の小青竜湯やユンケルなど栄養ドリンクの高価バージョンには少しだが配合されている。韓国では食品として利用されているにも関わらず、日本では生薬として定められている以上、食品として販売することはできない。

ただ、五味子は日本にも野山に生えているところがある。殆どは東日本だが、中でも長野・群馬県境にある浅間山周辺には普通に見られるツル性の植物だ。実は去年の秋、五味子酒が果実酒で一番旨いとブログに書いている人がいたものだから、浅間山まで五味子を採集しに行って、いま縁の下でルビー色した五味子酒が2升熟成されている。このお酒、人によって好き嫌いが分かれるようだが、嵌った人は梅酒や花梨酒を越えているという。

数年前、五味子経済特区の申請を出されている方がおられたが、残念ながらその後国からは認可にはなっていないようだ。美味しい五味子酒を楽しむには私のように、山へ五味子を採りにいくしかないのが現状だ。韓国へ旅行に行った人に乾燥五味子を頼んで買ってきてもらったこともあるが、これでも五味子酒はできる。ただ、風味としては生果実を漬けたものの方がいいように感じた。

ここで話が終わると、ただ健康に良さそうな旨酒の話で終わってしまうのだが、実はこの五味子酒、花粉症に効くのだ。これは花粉症暦26年の私の身体を使って臨床試験を行った結果。お猪口一杯程度の五味子酒を朝晩飲んでいるだけで鼻腔の痒みや鼻詰まりがかなり緩和される。五味子を含む小青竜湯では私の花粉症において全く効果が体感できなかったが、五味子の濃度とアルコールが有効成分の吸収を助けて効いたのかも知れない。これまで花粉症に効くといわれたものは、お茶でも食品でも、個人輸入したサプリでも何でも試してきたが効いたためしがなく、病院のきつい薬以外で初めて効いたのが五味子酒であった。

五味子はお酢に漬けて五味子酢にしてもいいし、ミョウガの甘酢漬けに乾燥果実を少し混ぜてやるとミョウガの赤みが何日も際立って一週間以上綺麗な色を保っているなど天然着色料としても利用できる。韓国のように水出ししてオミジャ茶として楽しんでもよい。このブログが火付け役になって日本に五味子ブームが来るとは思えないが、製薬会社が手を付けるのか、薬事法の壁を切り崩して食品会社が手を付けるのか、まだまだその行方は見えてきそうにない。私も薬事法の壁で諦めた一人である。

2008年11月 1日 (土)

第9回 新道建設機能付きカーナビ

最近のカーナビは走行軌跡を残せるものが殆どだと思います。この軌跡、旦那さんが毎週毎週同じルートに残した軌跡を、ある日奥さんが走ってみたらラブホテルに辿りついて旦那さんの浮気がばれてしまったとか。便利な機能も時には思わぬ不幸を招いてしまうようです。男性にとっては透けない白くらいに余計な発明だったのかもしれません。

さて、私の車にはカーナビは付いていないのですが、カーナビの付いた車に乗せてもらって最近新名神高速を通った時、折角ついた山の中の軌跡に道路の種類やサービスエリアを記憶させることってできないの?って車のオーナーに聞いてみたらできないのだそうです。今後もよく通りそうな新道くらいカーナビ内でも建設してくれればいいのに、と思われた方もいらっしゃることでしょう。それほど難しい技術とも思えないのですが、買い替え需要が減ってしまうからでしょうか。でも、便利な機能は放っておいても誰かが手を付けます。思い付いたが吉日、どこか手を出しませんか。

あともう一つ。カーナビは電話番号を入力すれば目的地に到着できますが、GPS携帯の番号を入れたらその地点までのルートを示してくれるというのも位置情報中継サーバがあれば可能な話。でもこちらは追いかけられる側としては、走行軌跡以上に怖いものなるかもしれませんね。

2008年10月21日 (火)

第8回 インテリショッピングカート

世の中には、発想はいいのだけれどコストが掛かりすぎて実現できないものが沢山あることと思います。しかし、技術革新や大量生産のもたらすコストダウン効果によって、いままで無理だと思われていたものが瞬く間に普及することがあります。インテリジェンス機能があるショッピングカートもそのようなタイミングに備えていまから策を練っておくべきサービスではないでしょうか。食べたいもの、作りたいものを伝えるだけで提案機能や売場への案内機能のあるショッピングカートは技術的には難しくないはずです。流通業の方は今からチャンスに備えて準備を整えておかれては如何でしょうか。

2008年10月19日 (日)

第7回 ポートレートモードを考えていないカメラ

20年くらい前のことだろうか。まだデジカメがこの世にない頃、写真の隅に写しこまれた日付が、ポートレートモード(縦長)撮影で90度回転してしまうのが気になっていた時期があった。ポートレートモードでも何とか日付は水平表示にならないものか。そこで考えた末、体温計を割って水銀を取り出し、傾斜センサースイッチを自作した想い出がある。今や傾斜センサーは携帯ゲーム機などに広く実用化されているが、インターネットのない時代、素人が専門外のことを調べるのは大変だったものだ。

話を元に戻そう。デジカメが登場した今もそうだが、カメラはランドスケープモードを中心に考えられていて、ポートレートモードで使うときはシャッターボタンを押す人差し指を強く曲げねばならず、非常に使い難い。それに手振れにもポートレートモードの構え方は弱い。中にはポートレートモードで普通に構えると、シャッターボタンではなく、自然と人差し指が電源ボタンに行ってしまう人間工学無視のデジカメもあるほどだ。個人的にはポートレートモード専用のシャッターボタンをもう一つ設けたカメラを出して欲しかったと思っている。そうすれば傾斜センサーを使わなくとも日付表示の縦横の問題も解決できたはずだ。

おそらくカメラ業界はこれまで、写真はランドスケープモードで使うのが普通であって、ポートレートモードは付け足しくらいにしか考えてこなかったのだろう。しかし、カメラマンによってはポートレートモードメインで撮影する人もいるはずだ。ならば、デフォルトがポートレートモードのカメラやポートレートモードでの使い易さを追求したカメラがあってもいいのではなかろうか。さらにデジカメが主体となった現在、カメラを傾けることなくスイッチ一つでポートレートモードとランドスケープモードの使い分けができるカメラがあっても良さそうである。カメラは長年固定観念から脱却できていない製品の好例と言えよう。

2008年10月13日 (月)

第6回 屋根・屋上の遮熱を実現するハニカムルーフ

「お父さん、どうして90℃のお湯をかぶると火傷をしちゃうのに90℃のサウナに入っても火傷をしないの?」子供が発したこの質問に対して、小学生にもわかるように即答できたらあなたは伝熱の専門家だ。この設問は屋根の遮熱・断熱とは直接的に関係がないが、このような伝熱の基本がイメージとして理解できていれば、屋根の遮熱を考えることもさほど難しいことではない。

夏、直射日光に曝された瓦や屋上のコンクリートは100℃近くにも達する。当然その直下の部屋は日中蒸風呂状態だ。市場には遮熱や断熱をうたった塗料が出回っているが、果たしてそんなもので真夏の直射日光をどれだけ遮ることができるのだろか。中にはシスタコートのように本物とおぼしき塗料も出ているようだが、伝熱の基本に立ち返ればもっとシンプルに屋根の遮熱を実現することができる。

伝熱がイメージとして理解できていない人が、この問題に対応しようとすると屋根を二重構造にして、間の層に空気を流すようなことを考えてしまう。おそらくこのような方法ではコストの割りに大きな効果は得られないであろう。

ではどうすれば良いのか。答は簡単。屋根に直射日光を当てなければよい。ベストな対策は屋根を木陰にしてしまうことだ。樹木の葉は真夏の太陽光の下でも蒸散作用と風によって熱くなることはない。熱くなったらその葉はもう枯れている。しかし、この方法はどの家でも簡単に実現できるという訳ではない。次にいいのがヨシズ。屋根の上に乗せたヨシズは直射日光を浴びても熱容量が低く、風によってすぐに冷めてしまう。だから屋根に対して二次的に赤外線を照射する量も少なくなるため、屋根が高温化するのを防止するにはいい手段だ。ただ問題は耐久性、それに台風でも来ればどこかに飛んでいってしまう。

そこで考え出したのがハニカム構造体。セルの大きさ、深さ、角度を考慮すれば1日中屋根瓦や屋上に直射日光が当らないようにすることは容易だ。熱容量を小さくできるため、ハニカム構造体自身が直射日光で熱くなる前に、風や周囲の空気で冷やされてしまうことが期待できる。陸屋根構造ならハニカムボードを屋上に敷き詰めるだけで済むし、その上を歩いても壊れない。ハニカムボードを最初から取り付けた屋根瓦を開発してもいいだろう。また、ハニカムボードはセル内や断面の色を使い分けることによって、見る角度によって遠目に見た色合いが変わるという意匠性も付与できる。

これまで商品化されていないのが不思議なくらいのこのハニカムルーフ、夏場の省エネルギー対策、炭酸ガス規制対策として如何ですか。

2008年10月12日 (日)

第5回 日本発の中国緑茶

日本の緑茶と中国の緑茶、その大きな違いは発酵を止めるのに蒸しているか、炒っているかの製法にあるとか。日本の緑茶は確かに和菓子や和食の後にはよく合いますが、お茶だけを楽しむとしたら、薫り高くほんのり甘みを感じる中国緑茶の方が個人的には好きです。この中国茶、緑茶に限りませんが魅力の一つはその多様性にあります。日本だと梅では南高梅、お茶ではやぶきた茶というように、いい品種が出たら殆どの農家が同じ品種を栽培してしまいます。そしてお茶の栽培地も海岸近くの温暖な斜面と相場が決まっています。物価の安い中国にあって高額商品のある中国緑茶。日本で栽培し、日本で製造してみては如何でしょうか。種類によっては、いままでお茶栽培に適さない地域でも栽培できる品種が見付かるかもしれません。

2008年10月 6日 (月)

やっぱり考えている人はいる

先週出光興産のCMをテレビで見ました。納豆菌を使って農作物の病原菌繁殖を抑制しているとか。微生物農薬というそうです。やはり同じような考えを持ってすでに実践している企業はあるんですね。ただいまのところは農薬という範疇であって、生活空間の抗菌の延長として、あるいは食品の安全や防腐目的としての研究ではないようです。農薬だけでなくもっと視点を広げていけば新しいマーケティングが花開いていくのではないでしょうか。

それからナンバープレートの件も電気自動車に限って新しい色にしようとする目論見は経済産業省と国土交通省を中心に出ているようですね。以前ググッたときはキーワードに「電気自動車」を含めなかったので見付けきれなかったのですが、今日見付けてしまいました。何と自動車工業会でなくて役所が先導しているとは。何してるんですか、工業会は?と言いたくなってしまいます。あくまでも電気自動車の購入意欲刺激策として考えられているようですが、私の方の主眼は、あくまでも車のデザインに調和した格好いいナンバープレートの実現にあります。それに色を変えるだけでなく、ナンバリングのルールも文字列もデザインもすべてを理想的に変更しようという試みです。単純に電気自動車やハイブリッド車の区別だけに考えを留めないでいて欲しいものです。ナンバープレート変更には警察庁の反対意見が出ている模様ですが、警察庁も納得できるようなアイデアも同時に盛り込むといいでしょう。視認性や覚えやすさの改善など、ナンバープレート読み取り装置の変更の手間以上のトータルメリットを生み出して推進するべきだと思います。

第4回 浴室換気の盲点

TOTOのカラリ床は素晴らしい発明だったと思います。簡単な工夫で画期的な効果を生む発明は感動的です。ついでだから床だけでなく、浴槽のへりも水勾配を設けてカラリ床構造にして欲しかったですね。結構ここって水滴が残って水垢がついてくれます。TOTO以外の浴槽メーカーもカラリ床構造が特許で使えないとしても、せめて水勾配くらいは付けて欲しいものです。このあたりメーカーさんのマーケティング力のなさを感じざるを得ません。

さて、本題に入りますが、浴室の乾燥時には換気扇を回すご家庭が多いことと思います。この換気扇を回す時、浴室の窓や扉はどうされています。もし、大きく開けているという方がいらしたら、換気扇を回す意味はほとんどありません。このことは化学工学を習った人からすれば当たり前のことなんですけど、主婦層にも広く周知するのは難しいと思います。

大きく窓や扉を開けて換気扇を回した場合、空気の流れは窓や扉から換気扇に向かって静かにバイパスして流れて行くだけで、浴室全体の空気を殆ど掻き回しません。だから、壁も天井も余計に乾きにくい状態をわざと作っているのです。浴室の扉には小さな吸気口が付いています。窓も扉も閉めていれば、吸気口が狭いゆえそこからある程度勢い良く吸い込まれた空気は浴室全体を撹拌します。ちょうどサーキュレータの役目ですね。ただし、サーキュレーターほど風が強くはありません。一応メーカーは考えて扉を作ってくれているんですが、利用者の多くにはその意図が伝わっていないので、換気扇を有効に使えていないご家庭が少なくないことでしょう。

では、どうすれば良いのか。答は簡単です。換気扇で排気すると同時に、扉からの吸気に頼らない風を浴室に起こせば良いのです。排気換気扇とは別にサーキュレータを付けるのか、換気扇のモーターを使ってサーキュレーターも同時に回す工夫をするのか、排気の一部を浴室に戻して風を起こすのか、方法は幾つか考えられると思います。窓のある浴室であれば、換気扇ではなくサーキュレーターだけを取り付けても浴室乾燥の効果は充分得られるかも知れません。

ものを速く乾かすには、1に風、2に乾燥空気、3に加熱の順に有効であることを理解していればすぐに分かりそうなことなんですが、意外とこれを理解している人って少ないんです。洗濯物を室内で乾かすのに加熱型の乾燥機を使わずに除湿機と扇風機を組合せて使うご家庭が増えていることと思いますが、それを思い起こせば分かっていただけると思います。